旭萬年（あさひまんねん）渡邊酒造場

旭萬年/渡邊酒造場

渡邊酒造場の創業者、初代渡邊壽賀市氏は1878年に愛媛県伊方村（現伊方町）で生まれました。若くして渡米し林業で成功。帰国後は林業が盛んな宮崎県田野村へと移住しました。その際売りに出ていた焼酎蔵を購入、創業に至ります。

しかし五年後の1919年に大火に見舞われて蔵は全焼。失意の壽賀市氏に近隣住民が手をさしのべ蔵は再興されました。今も残る「火災見舞受帳」には壽賀市氏の自筆で「Don't forget」と痛切な思いが苦き遺されています。

代々家族が生まれ育った田野町で自家栽培したサツマイモなど宮崎県産の原料と、初代壽賀市氏と二代目一男のふるさと愛媛県産の原料、そのふたつの「故郷」の農産物だけを使い焼酎を醸しています。

ここでしか造ることのできない焼酎をひとりでも多くの方々に愉しんでいただきたい。しかし目指しているものは、万人受けの良い焼酎ではなく、たとえ一万人にお一人だとしても心の底から旨いと言っていただけるようなお酒を造り続けること。

宮崎県宮崎市田野町は、町内のほとんどが田んぼや畑という程に農業が主役の田舎町です。故郷田野の象徴といえば、宮崎市・日南市・北諸県郡三股町に連なって町の南に雄大な山容を見せる鰐塚山。南九州ならではの温暖な気候と緑豊かな自然環境に包まれた風土で『旭萬年』は醸されます。

今度は私たちが初代の志を受け継ぎ、本格焼酎という日本の蒸留酒文化を伝えるために海を渡る番だと意を新たにしています。